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EU AI法オムニバス改正合意(2026年5月7日)——中小企業免除を従業員500人以下に拡大、高リスクAIの義務期限を2027年12月に延期
EU理事会と欧州議会が2026年5月7日、AI法オムニバス改正の暫定合意に達した。中小企業(SME)の規制免除が従業員500人以下の「スモールミッドキャップ」に拡大、高リスクAI義務の期限は2027年12月2日に延期。「裸体化アプリ」の禁止も明記された。
概要
※本記事は公開情報をもとに編集部が再構成したサマリです。一次情報は出典欄をご参照ください。
EU理事会と欧州議会は2026年5月7日、EU AI法(AI Act)を改正するオムニバス規制パッケージ(「Omnibus VII」)の暫定合意に達した。本改正は(1)中小企業向け規制免除の対象拡大、(2)高リスクAIシステムの義務化期限延期、(3)透明性ウォーターマーキング期限の確定、(4)AIオフィスへの権限集約——を主な内容とする。AI Act本体は2024年8月1日に発効済みで、2026年8月2日から全面適用となる予定だが、今回の改正で義務スケジュールの一部が調整された。
事実のポイント
- 中小企業(SME)免除の拡大: 技術文書の簡易要件などSME特権が、従来の「中小企業(<250人)」から従業員500人以下のスモールミッドキャップ(SMC)にも適用範囲が広がった
- 高リスクAI義務の延期: 生体認証・重要インフラ・教育・雇用・法執行・国境管理に用いるAI(Annex III)の遵守期限が2027年12月2日に延期(従来は2026年8月)
- 透明性ウォーターマーキング期限: AI生成コンテンツの透明性表示義務の期限が2026年12月2日に確定
- 「裸体化アプリ」禁止: 人物の画像を無断で性的に改変するアプリを明示的に禁止
- 規制サンドボックスの拡充: テスト・検証のための規制サンドボックスへのアクセス要件が緩和され、SMEも利用しやすくなる
- AIオフィスへの権限集中: 一部AI規制の執行をEUレベルのAIオフィスに集中させ、加盟国間のガバナンス断片化を防止
用語・背景の補足
EU AI法(AI Act): 2024年8月に発効した世界初の包括的AI規制法。AIシステムをリスク別に4段階(容認不可/高リスク/限定リスク/最小リスク)に分類し、高リスクカテゴリには透明性・精度・ロバスト性等の要件を課す。
オムニバス立法: 複数の既存法規をまとめて改正するパッケージ型立法。EU委員会が官僚コスト削減と競争力強化を目的に2025年秋から推進してきたデジタル規制簡素化の一環。
スモールミッドキャップ(SMC): 従業員250〜500人の企業。EUの中小企業定義(SME)の上限を超えるが、大企業ほどのリソースを持たないため、今回の改正で特例対象に加えられた。
注意点
- 今回の合意は暫定的なもの。EU理事会・欧州議会それぞれの正式批准が必要であり、官報掲載後に法的効力が生じる
- AI Actの禁止AI(リスク容認不可カテゴリ)は改正後も適用スケジュールに変更はなく、2024年8月から順次禁止が発効している
- 高リスクAI義務の延期(2027年12月)はAnnex IIIの特定分類に限定されるため、全高リスクAIへの適用かどうかは個別確認が必要
編集部見解
(追記予定)
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