このノウハウで解決する課題

「指示と参照資料が混ざって が指示を取り違える」「複数の例を渡すと、どこからどこまでが例かわからなくなる」「出力フォーマットを守ってくれない」。長文を業務で多用する人なら一度は当たる課題です。

結論

プロンプトの中で意味の異なる塊を <instructions> <context> <example> <format> などの XML タグで囲む だけ。これだけで Claude は「ここは指示」「ここは参照資料」「ここは例」と認識し、応答の精度・安定性が目に見えて上がります。 公式の Prompting best practices で明示されている、最も費用対効果の高いテクニックです。

必要な準備

  • : Claude.ai(Free / Pro / Team / Enterprise いずれも)または Anthropic
  • 想定環境: Web UI / API どちらでも有効
  • 前提知識: なし(XML タグ名は自由なので「これが正解」というスキーマはない)

手順

1. プロンプトを「役割が違う塊」に分解する

書こうとしているプロンプトを、まず以下のような役割で分解します:

  • 指示(Claude にやってほしいこと)
  • 参照資料(Claude に読ませる情報)
  • (few-shot として見せる入出力サンプル)
  • 出力フォーマット(どう返してほしいか)

2. 各塊を XML タグで囲む

タグ名は自由ですが、意味が伝わる英単語にします。Anthropic 公式が例として出すタグ:

  • <instructions> 指示本体
  • <context> / <document> / <source> 参照資料
  • <example> few-shot 例
  • <format> 出力フォーマット指定

(例:クライアント対応業務の場合。自組織の業務内容に合わせて書き換えてください)

<instructions>
あなたは業務アシスタントです。以下の議事録から
「次回までの宿題」だけを抽出してください。
</instructions>

<document>
2026年4月15日 ABC 株式会社 月次MTG 議事録
- 売上は前月比 +8%、訪問数は据え置き
- 経理担当者の異動が来月発生する見込み
- 次回までに前期の修正申告書ドラフトを送付
- 営業担当から、新規案件の見積もりを来週中に提示してほしい
- 不動産購入の検討状況を次回ヒアリングする
</document>

<format>
番号付きリストで、1 件 1 行。各行は「【担当】タスク内容(期限)」の形式。
</format>

3. 出力で参照させたいタグ名を、応答指示にも入れる

<document> の内容に基づいて」と指示の中で タグ名そのものを引用 すると、Claude は参照範囲をさらに明確に理解します。

<instructions>
<document> の内容のみに基づいて、<format> に従って出力してください。
</instructions>

4. ネスト・繰り返しもできる

複数の参照資料を渡したいときは、外側に <documents>、中身を <doc index="1"> のように個別タグで囲むと整理できます。Anthropic Cookbook でも頻出のパターンです。

<documents>
  <doc index="1" source="議事録-2026-04-15.txt">
    (議事録1の本文)
  </doc>
  <doc index="2" source="議事録-2026-04-22.txt">
    (議事録2の本文)
  </doc>
</documents>

効果と限界

効果:

  • 複数資料を渡したときの取り違えが激減
  • 出力フォーマットの遵守率が体感で 80% → 95% 以上に
  • 自分が後でプロンプトを読み返したときの可読性も上がる

限界:

  • タグ名は 言語へのヒント であって、厳密な構文解釈ではない。タグの中に矛盾する内容を書けば壊れる
  • XML エスケープ(&lt; など)は必須ではないが、タグ名と本文の < > が紛れる場合は別タグで囲む
  • 短い 1 行プロンプト(「この英文を日本語に」など)には不要。複雑度が上がってから使う

応用・派生

  • system プロンプトでの活用: API 呼び出し時、system プロンプトで <role> <rules> <output_constraints> を固定し、user メッセージは可変部分だけにすると、長期運用で挙動が安定する
  • 例の整理: <example index="1"><input>...</input><output>...</output></example> のパターンで複数例を順序立てて見せられる
  • 業務テンプレ化: 「議事録 → タスク抽出」「契約書 → リスク条項抽出」など、定型業務はテンプレを XML 化して社内で共有