Copilot Studio で「クライアント問い合わせ一次回答エージェント」を立ち上げる

Microsoft Copilot Studio を使って、クライアントからの定型問い合わせ(手続き書類の出し方・制度の最新解釈・口座変更手続き等)に一次回答するエージェントを2週間で立ち上げる手順。最初は社内 Teams への展開からスタートし、品質を確認してからクライアント公開に広げる。

このノウハウで解決する課題

クライアントからの問い合わせの 30〜50% は「過去にも答えたことがある定型質問」。担当者の集中時間を奪ううえ、回答が担当者ごとにブレるリスクもある。

全体のイメージ

  1. 過去問い合わせを棚卸しし、定型質問 TOP 30〜50 を FAQ として整備
  2. Studio で新規を作り、FAQ をナレッジベースに登録
  3. まず社内 Teams にだけ公開し、担当者からの質問でテスト運用(1〜2週間)
  4. 誤回答・抜けを補強したうえで、クライアント向け Web チャットや Teams に公開
1
業務棚卸し
作業を粒度別に分解・分類
2
AI役割設計
人間/AIの責務境界を定義
3
検証
小範囲で効果と運用を測定
4
展開・定着
手順化・教育・追跡
内部運用 → クライアント公開へと段階的に広げる立ち上げ手順

必要な準備

  • : Microsoft Copilot Studio(M365 Copilot ライセンス + Power Platform 環境)
  • 想定環境: Teams / SharePoint / 既存 FAQ ドキュメント
  • 前提知識: 過去問い合わせをカテゴリ分類できること

手順

1. 過去問い合わせを棚卸し

直近6ヶ月のメール / Teams 履歴から問い合わせを抽出 → カテゴリ分類 → 上位30〜50件を FAQ ドキュメント化(Word または SharePoint ページ)。

2. Copilot Studio で新規エージェント作成

https://copilotstudio.microsoft.com/ → 「新規エージェント」 → 名前・説明・トーンを設定。トーンは「丁寧・断定しない・最終判断は担当者」を明記。

3. ナレッジベース接続

「Knowledge」タブ → SharePoint の FAQ ページを接続。可能なら社内 Wiki / Notion / クライアント向け案内文書も追加。

4. トピック(応答シナリオ)追加

頻出質問 TOP 5 程度はトピックとして個別に作成し、回答テンプレ + 「担当者へのエスカレーション条件」を明示。

5. 内部公開(Teams)

「Channels」 → Teams を有効化 → 社内チャンネルに追加。スタッフに「クライアントになりきってテスト質問してください」と依頼し、誤回答 / 抜けをログから抽出。

6. クライアント公開

1〜2週間の内部運用で誤回答 0 が3日連続したら、クライアント向け Teams または Web チャットに公開。最初はリテラシの高いクライアントから限定的に。

もう少し詳しく(技術編)

Copilot Studio のエージェントは内部的に Generative Answers(ナレッジベースから生成)と Topics(決めうちフロー)を切り替えて動作する。デフォルトは Generative 寄りなので、業務上クリティカルな質問(税務判断・法的判断)は Topic として固定し、「担当者にエスカレーション」フローに必ず落とす 設計が安全。

エスカレーション設計例:

ユーザー質問が以下のいずれかを含む場合 → 担当者にエスカレーション
- 「制度変更」「手続き期限」「費用・料金」
- 「契約解除」「訴訟」「裁判」
- 個別の金額判断を求めるもの(例: 「これは経費にできますか」)

効果と限界

効果: 定型問い合わせの 30〜40% をエージェントが一次回答し、担当者は確認のみで対応する運用に変えた事例が公開されている(前提: FAQ が整備済み / クライアントの理解協力あり)。

限界:

  • 専門判断が必要な質問はエージェントに任せない(誤回答の責任問題)
  • ナレッジベースに古い情報が混ざると古い解釈で回答する。四半期に1回は棚卸し
  • クライアントに「AI が回答している」ことを最初に明示し、納得を得てから公開

応用・派生

  • 採用候補者向けの一次案内エージェント(求人 FAQ)
  • 社内ヘルプデスクエージェント(経費精算・出張手続き等)
  • 業界団体の所属メンバー向けエージェント
タグ: #ai-agent #microsoft #knowledge-base #copilot-studio
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