導入
業務棚卸し
業務棚卸しは、いま誰が、何をきっかけに、どの資料を使い、何を渡して仕事を終えているかを整理する作業です。機能名の一覧ではなく、実際の成果物と例外処理から、導入対象と不足を見つけます。
このページの目次
成果物から、現在の業務を集める
- GPの運営担当が台帳をまとめ、投資・経理・IRが自分の業務を確認します。LP・投資先は資料の受取人や提出者として記録し、GPの担当業務と混ぜません。
- 直近の報告書、払込依頼、入出金記録、評価資料、承認記録などを起点に、作成前と渡した後の作業をたどります。担当者の記憶だけでなく、実際に使った表・メール・記録と照合します。
- 現在の手順と、導入後に目指す手順を別欄にします。現状の手作業を、すでに自動化されている機能として記載しないようにします。
一つの業務を、開始条件から完了条件まで書く
- 記入項目:業務ID/業務名/開始条件/入力資料/作業担当/確認・承認者/成果物/受取人/完了条件/例外/使用画面・外部作業。名称を変えても追えるIDを付けます。
- 例:四半期の報告準備開始 → 投資先資料を受領 → 運営担当が数値を照合 → 業務の確認者が内容を確認 → IRへ報告用データを渡す。受取人が内容を確認できる状態までを完了条件に含めます。
- 「報告業務」のような大分類と、「データ照合」「内容承認」「対外送達」を区別します。成果物や判断者が変わる工程は子業務に分け、同じ業務を担当者別に複製しません。
頻度と発生条件で、抜けを探す
- 日次・週次:入出金や未処理の確認、依頼の進捗確認など。月次・四半期:締め、投資先データの回収、評価、報告など。年次:決算・監査・年間の報告準備など。実際の契約と運用に合わせ、すべてを一律の頻度にしません。
- 意思決定時:投資、追加投資、評価の採用、分配など。特別対応:訂正、期限超過、担当者不在、解約・終了、障害時など。定例カレンダーにない業務も別に拾います。
- 頻度、発生日、提出期限は別項目です。「四半期」と書くだけでなく、誰から何を受け取ると開始できるか、期限の根拠、遅れた場合の連絡先も残します。
担当と引継ぎ、例外後の再開点を確認する
- 作業担当、最終責任者、相談先、報告先を分け、誰が差戻しや承認を判断できるかを確認します。代行者には必要な範囲の権限と資料を用意します。
- 不足資料、数値の差異、誤宛先、部分成功、訂正について、止める箇所、修正担当、再確認者、再開する工程を記入します。送信済みの場合は相手への訂正連絡も別に確認します。
- ファンドアドミを利用する場合だけ、委託範囲、提出物、期限、GPが確認する事項を追加します。委託先の作業完了と、GPの受入・承認を同じ状態にしません。
画面の有無と、業務を完了できるかを分ける
- 業務ごとに実際の画面、操作入口、処理結果、確認済みのテストや操作記録を紐づけます。画面名やボタンがあるだけでは完了できると判断しません。
- 対応状態は、操作まで確認済み/コード確認済み・操作検証前/一部対応/企画/未確認を区別します。銀行での送金や人の判断など、外部で完了する工程も明記します。
- 以下の組織・ロールのスライドは担当とアクセス範囲を考える関連機能です。業務一覧の自動生成や、全工程の担当・期限・受入を一括管理する機能の証明ではありません。
不足を導入計画と機能企画へ渡す
- 不足ごとに、影響する業務ID、必要な画面・機能・フロー、代替手順、担当者、期限、受入条件を残します。既存機能の設定不足と、新しい機能が必要な状態を分けます。
- 業務の責任者が、重複・未担当・成果物の不足・受取側の確認漏れをレビューします。台帳の行数を増やすことではなく、開始から例外後の再開まで説明できることを目指します。
- 優先する業務を導入準備度診断へ渡し、移すデータをデータ移行へ、実施順序を段階導入へつなげます。契約、担当者、システム、報告要件が変わったときは棚卸しも更新します。
よくある質問
機能一覧があれば棚卸しは不要ですか?
機能一覧だけでは、開始条件、外部作業、確認者、受取側の完了が分かりません。業務を先に整理し、必要な機能と対応づけます。
担当者ごとに別の業務一覧を作りますか?
聞き取りは担当者ごとでも、共通台帳では同じ業務IDに担当と役割を紐づけます。判断や成果物が独立する工程は子業務として分けます。
年に一度しかない業務も必要ですか?
必要です。年次業務に加え、意思決定時や訂正・障害時の特別対応も確認します。頻度が低くても影響の大きい業務を除外しないようにします。
未実装の機能はどう記録しますか?
必要な入力、操作、成果物、権限、例外、完了条件を業務IDとともに残します。未確認と未実装を区別し、確認した画面・コード・テストの範囲も記録します。
参考資料・確認範囲
本文確認日:2026-09-07。一般的な業務整理とコード照合に基づく説明です。個別契約・法務・会計判断や、利用環境での操作確認を代替しません。
- Microsoft Learn:Introduction to the business process catalog
2026年1月8日更新。業務全体・個別業務・画面操作・テストを階層で区別し、IDと関連資料で結ぶ方法を参照。Dynamics 365の機能や業務数をAutaisへ転用するものではありません。